山本義徳氏の業績集が初めて世に出たのが2016年。
それから3年の2019年、ついに待望のダイエット編が刊行されました!
わたしは筋トレを5年以上続けている中で増減量を繰り返していますが、思ったように痩せないことがほとんどです。
ダイエットに対する普遍的な知識が少ないからかなと感じてたところだったんですが
この書籍に出会い、ダイエットに対しての迷いが少なくなりました。
私みたいになかなか思ったように痩せないなと感じる方に、特におすすめしたい良書です。
- どんな内容か
- どんなところが勉強になったのか
- 感想
を書いていきたいと思います。
ダイエット-理論編-の概要
ダイエット-理論編-は山本義徳氏の業績集シリーズ、12番目の書籍です。
全部で17あるうち、この理論編と、サプリメントAtoC(業績集14)の2つだけ、KindleUnlimitedでは読めない作品です。
逆に言えば、その他の13種の業績集は読むことができます。(多分)
目次は以下のような構成になっています。
- 第一章:カロリー神話の崩壊
- 第二章:消費カロリー
- 第三章:摂取カロリー
- 第四章:食と健康
- 第五章:ダイエットのためのトレーニング
- 第六章:ローカーボとローファットの比較
ぱっと見、誰でもダイエットに活かせそうな知識が手に入りそうなのは二章、三章。
ローファットなども試したい方は六章。と言う感じでしょうか。
ダイエット-理論編-で個人的に勉強になった個所
それでは、具体的にどんなところが勉強になったのか、各章からかいつまんでいきます。
第一章:カロリー神話の崩壊
CPF比は「45:35:20」です。ローカーボやローファットは続けられないという人にとって、この比率は一つの目安となるのではないでしょうか。つまり「タンパク質を増やし、炭水化物を減らす」というだけでも、一定の効果が期待できる
Yoshinori Yamamoto. Diet -Theory-: (Kindle の位置No.212-214). Kindle 版.
小分け食と高タンパク食の効果からの抜粋です。
1日の食事は3回よりも6回、タンパク質の割合は高い方が痩せた。という研究からの考察ですが
個人的に気になったのは、CPF比は「45:35:20」のところです。
比率から考えるとFが少ないのでローファットだと思いますが、ローファットにしては脂質の割合が高い。
山本氏自身もメインはローファットとローカーボの組み合わせを推奨しています。
なので、このぐらいのバランスでも大丈夫なんだ、という一種の安心材料になりました。
第二章:消費カロリー
AMPKはアディポネクチンによって、活性化される
Yoshinori Yamamoto. Diet -Theory-: (Kindle の位置No.449). Kindle 版.
AMPKというのは、エネルギーを消費するためのセンサーのことで、それが活性化することでより脂肪燃焼するということです。
そのためにアディポネクチンが必要ということなので、超ざっくり言えば、アディポネクチンが増えると痩せやすいということですね。
ざっくり、アディポネクチンは
- 水分を多めに飲むと増えやすい
- アルギニンで増える
- フィッシュオイルで増える
- ローファットだと増える
- 1日2食だと(自由に食べる&1日1食よりも)増えやすい
- 内臓脂肪が多いと減る
以上のような性質や、研究結果があるようです。
中には知らずにできていることも多いと思うので、そういう性質で痩せるんだなという根拠がわかると再現性が増しますね!
また、これは有名ですがカルニチンの摂取。
- カルニチンがないと血中の脂肪酸をエネルギー化できない
- 加齢とともに体内で合成されるカルニチンの量は減る
以上の理由から、脂肪をしっかり燃焼するにはサプリメントとしての摂取が重要ということも改めて学べました。
第三章:摂取カロリー
食餌時間制限により空腹時間が増え、インスリン感受性や炎症性サイトカイン、mTORやAMPKの活性
Yoshinori Yamamoto. Diet -Theory-: (Kindle の位置No.665-666). Kindle 版.
主にリーンゲインズについての説明が興味深かったですね。
リーンゲインズとは:1日のうち16時間絶食、8時間の間だけ食事をすること
ざっくりと
食事時間の制限はかなり有効かもしれないが、筋トレを激しく行う人には向いていないかも
と言う感じでした。
また、カロリーについてはそこまで触れられていません。
両者の摂取カロリーにほとんど差はなかったものの、食餌時間を制限されたほうが体重と体脂肪量が少なくなっていました
Yoshinori Yamamoto. Diet -Theory-: (Kindle の位置No.662-663). Kindle 版.
とありますが、リーンゲインズなら好きなものを食べても良いということにはならないので注意したいところですね。
第四章:食と健康
ここではグルテンやアルコールなど、色んな気になる話題について触れているので、ぜひ読んでみてほしいところです。
わたしが1番気になるトピックは、人工甘味料についてで
人工甘味料がインスリンの分泌を引きおこす可能性について前述しましたが、例えば「ラカンカ」とエリスリトールを組み合わせた「ラカント」という甘味料は人体での実験でインスリンを高めないことが示されています。
Yoshinori Yamamoto. Diet -Theory-: (Kindle の位置No.1103-1105). Kindle 版.
人工甘味料はインスリンに影響を与えるかもしれないとどこかでみたことがありました。
インスリンに影響を与えるとなると、いくら糖質OFFでもケトジェニックダイエットとは相性最悪ということになります。
しかし糖アルコールならば安心ということで、今まで漠然とした不安だったものが確信に変わりました。
これからのローカーボダイエットに間違いなく活かせます!
第五章:ダイエットのためのトレーニング
こちらは特に目新しいトピックはなかったのですが
筋トレにおいては有酸素=悪ということが再確認できます。
有酸素はウェイトトレーニングの効果を高めず、むしろ阻害する
Yoshinori Yamamoto. Diet -Theory-:(Kindle の位置No.1696-1697). Kindle 版.
とある通り、筋肥大を目指している方の減量などは特に有酸素運動は行わない方がいいですね。
また、有酸素運動は
- 遅筋の割合を増やす
- コルチゾル(ストレス)を増やす
など、いいことがほとんどありません。
山本氏は痩せたくて運動する場合、有酸素ではなくHIIT(または筋トレ)を推奨しています。
第六章:ローカーボとローファットの比較
個人的にローカーボについての知見を深めたかったのでここがとても気になりました。
が、自分がローファットを行う知識を得られたのはこの理論編ではなく実践編でした。
この理論編は、主にローファットの効果や恩恵、よく言われる悪影響についてを解説したものでした。
実践編も読んでまとめたので、よければこちらもお読みください。
ダイエット-理論編-を読んだまとめ
理論編をざっくりとまとめましたが、いかがでしょうか。
これはほんの一部を抜き出してまとめただけなので、いかにボリュームがすごいかが分かります。
ダイエットや体の仕組みについてここまで網羅的に書いてある書籍はそうないと思うので、よければぜひ手にとってみてください。
他の筋トレに関する書籍レビューはこちら