「夏に向けて筋トレするか!」
と一念発起して始めたはいいものの、なかなかトレーニングの効果が出ないからと諦めてしまう人は多いのではないでしょうか。
たいていそういう場合は、トレーニングのフォームがてきとうだったり、どこの筋肉を鍛えているのかよく分からないままトレーニングをしていることが多いのです。
それではトレーニングの効果が出ないのも無理はありません。
そんな方におすすめしたいのが、解剖学を学ぶこと!
解剖学というと難しそうなひびきですが、今回は難しいことは話しません。
「このトレーニングは、ここの筋肉を使っているんだ」
ということを覚えればいいんです。
筋肉について知っているようで知らない知識を書きたいと思います。
筋肉が力を発揮するのは、収縮と伸展が起きた時
まずお話するのは、収縮と伸展(ストレッチ)です。これが分かっているといないでは大きく違います。
ストレッチというのは柔軟体操のことではなく、筋肉が伸びている状態のことです。
主にトレーニングをする時に負荷をかけるのは、筋肉が収縮する時でしょうか?それとも伸展する時でしょうか?
正解は、収縮する時です。
筋肉が伸びている状態から縮む時に負荷が乗ることによって、筋肉に刺激が入るのです。
力こぶを作るときなどを思い浮かべるとわかりやすいと思います。筋肉が縮むと力が入りますよね?
つまりトレーニングの基本は、筋肉を伸ばして、縮めること(を繰り返すこと)なんです。
これをおろそかにして、小さい可動域でちょこちょこやっていては筋肉はつきません。
トレーニングの基本「引く動作」では、背中を使う
動作としてまず覚えておきたいのが、「引く」動作です。
これはトレーニングの種目でいうと、チンニング(懸垂)、ラットプルダウン、シーテッドロウ、デッドリフトなどがそれに当てはまるのですが、これはどこを鍛える動作か分かりますか?
実はこの動きのメインターゲットは背中です。(上腕二頭筋も使いますが)
筋トレ初心者の方は意外とこれが分かっておらず、腕がターゲットのトレーニングだと思ってやっている方が多い印象です。
チンニング、ラットプルダウン
背中のトレーニングの代表的な種目、チンニングとラットプルダウン。
重りを引く(ラットプルダウン)のか自分の体を引く(チンニング)のかの違いだけで、引くという動作は同じです。
この動きは主に大円筋、広背筋が鍛えられます。
少し難しい言葉を使うと、大円筋と広背筋は「肩関節の内転」という動作により力を発揮します。
つまり、腕を上にあげた状態からひじをわき腹に近づける動きです。肘を脇腹に近づけると、背中の筋肉が収縮するのです。
チンニング、ラットプルダウンの動きそのものですね。当然、筋肉にはそれぞれの役割があり、その役割がどんなものかを意識してあげることでより発達しやすくなります。
しかし背中の筋肉は自分の目では見えないので意識しにくいものです。
上で話したように、しっかりストレッチと収縮ができていなければ発達はしないので、背中がなかなか筋肉痛にならないという方は
まずはしっかりと数をこなせる重さ、大きい可動域で丁寧に、背中のストレッチと収縮を感じられるようになることから始めると良いでしょう。
ロウイング
ちなみに、ダンベルロウイングやシーテッドロウイングなど、体の前から肘を後ろに引く動作も、同じく引く動作なので背中を鍛えることができます。
この動きは主に広背筋、そして僧帽筋の中部などが鍛えられます。
ジムに行けばだいたい「〇〇ロウ」といったマシンが置いてあると思いますが、全て背中を鍛えるためのものです。
トレーニングの基本「押す動作」では胸、肩を使う
次にトレーニングの基本である「引く」とは逆の「押す」動作です。
「何だ?そんなの見れば分かるよ」
と思う方もいると思いますが、意外とここも分からないままトレーニングをしている人が多いんですよね。
例えば腕立て伏せ。これは押す動作のトレーニングなんですが、どこを鍛えているか分かりますか?
正解は、メインターゲットは大胸筋です。
(厳密には、フォームによって効く場所もかわるということはおいておきます)
基本的に押す動作というのは
- 大胸筋
- 上腕三頭筋
- 三角筋(前部)
を鍛える種目になります。
押す動作の代表、ベンチプレス
みんな大好きベンチプレスは、ご存知の通り押すトレーニングです。
大胸筋をメインに鍛えたい時に行います。
少し小難しいことを言うと、大胸筋を刺激するためには「肩の水平内転」という動作(腕を横に広げた状態から、前ならえの状態に持っていく動作)をすることになります。
胸の筋肉がギュッと硬くなるのが感じられると思います。
腕を後ろ(または横)から前に持っていくことで大胸筋が収縮します。これも大胸筋の役割です。
ついでに言うと、ベンチプレス、腕立て伏せなどは肘を曲げた状態から伸ばす動作でもあります。
これは上腕三頭筋を収縮する動きです。
なので、上腕三頭筋も一緒に鍛えられるようになっています。
ショルダープレス
また、押す動作のもうひとつ代表的な動きで「ショルダープレス」があります。
ベンチプレスは体の正面方向に押すのに対し、ショルダープレスは体の上方向に押す動きです。
基本的に鍛えられる部位は大胸筋、三角筋、上腕三頭筋で一緒なのですが、微妙に変わってきます。どう変わるかというと
まずメインターゲットが、トレーニングの名前通り三角筋(肩)に変わります。そして使われる大胸筋は主に上部のみになります。上腕三頭筋にも変わらず負荷はかかります。
というように押すという基本動作は同じでも、角度などによって各筋肉の収縮の仕方が変わることで、効く部位が変わってきます。
おすすめ書籍「目でみる筋力トレーニングの解剖学」
こちらの本は、105種類ものトレーニングのやり方が、図解つきで丁寧に書かれています。
- 主にどこに効くのか
- 補助で使う筋肉まで説明
- 似ている種目の違いの解説
など、トレーニング初心者にとってありがたい情報がてんこ盛りです。
解剖学を勉強するというとちょっと重苦しい感じがしますが、トレーニングの種目を学びつつ、簡単に筋肉の勉強をすることができます。
解剖学の基礎としてとてもおすすめの一冊。
自分ももちろんこの本で勉強しました。
種目のバリエーションが増えるので、単純にトレーニングのバリエーションが増え、楽しくなること間違いなしです。
「トレーニング始めたて」
「どんなトレーニングがあるの?」
という方には必読の一冊です!
こちらの記事で詳しく解説しています
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まとめ
「引く」動作は背中(と上腕二頭筋)
「押す」動作は胸(と三角筋、上腕三頭筋)
基本的には大きな動かし方としてはこの2通りに当てはまります。
- 今、自分はどこの筋肉を鍛えているのか。
- この動作(マシーン)は、どこを鍛えるものなのか。
これを分かった上でトレーニングをするのとしないのでは、天と地ほどの差が出ます。
少し筋肉について勉強するだけで、トレーニングも楽しくなるものです。
それでは良いトレーニングライフを!